消費税~課税事業者の選択の届出~の事業開始日の誤りで還付が受けられなかった事例(一般向け) |
東京税理士界(東京税理士会の月刊誌)でTAINSの検索ワードで最も使用されるのが「消費税」ということで、消費税の届出書の提出時期やその効力について争われた事例が紹介されていました。
そのなかでも、課税事業者の選択の届出にかかる「事業を開始した日(平24年6月21日公表裁決)」の裁決については、興味深い点があり、ご紹介いたします。
◆ 課税事業者の選択の届出上の「事業開始日」に関する裁決
● 事例の概要
・審査請求人 :歯科医師(個人事業者)
・消費税の届出書:課税事業者の選択届(事業開始日の課税期間から課税事業者を選択)
・届出上の事業開始日:歯科医院での診療開始した日(開業日:平成21年8月1日)
・消費税の申告内容:
診療開始初年度分の消費税の申告上、診療開始の前年に行った医院の建築費用を課税仕入れに計上して、還付申告を行った。
・税務署による更正処分の内容:
医院の建築設計・管理業務委託契約の締結日が「課税資産の譲渡等にかかる事業を開始した日」であり、審査請求人は、同課税期間について消費税を納める義務を免除されており、還付申告できないとして、更正処分等を行った。
● 国税不服審判所の判断
・消費税法第9条第4項の趣旨:
不服審判所は、事業遂行に必要な準備行為を行った日の属する課税期間も、同項を受けた施行令第20条第1号の「課税資産の譲渡等にかかる事業を開始した日」の属する課税期間に該当すると解するのが相当とした。
・請求人の状況:
平成20年8月~12月にかけて、歯科診療業務用材料・器具の購入を繰り返し行い、同時に
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◆ 事業区分欄が空白の簡易課税制度選択届出書の効力
● 本件は、最高裁まで争われた事案で、最終的に棄却(確定)された
つぎのように争ったものの、原告が全面的に敗訴した事案です。
・名古屋地裁 平成15年 5月28日 棄却(控訴)
・名古屋高裁 平成15年 8月19日 棄却(上告)
・名古屋高裁 平成15年10月24日 却下(確定)
・最 高 裁 平成15年12月18日 棄却(確定)
● 簡易課税を選択しながら、有利選択で実額で控除し、確定申告
この事案は、原告が簡易課税の選択届を提出していながら、消費税の申告時には”有利選択”で、実額による仕入れ税額控除方式を選択して、確定申告したものです。
・原告の主張:
原告は、簡易課税の届出書に「事業区分欄に記載がない」まま提出されているので、これ
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