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生命保険の払済み処理に注意!~全損タイプからの変更もアウト~(一般向け)

2019.10.10

 6月の法人向け生命保険の通達改正では、「最高解約返戻率が50%を超える定期保険など」の保険料はその多くの資産計上がルール化されました。
同時に、既存契約の保険を払済み処理(払済み保険への変更)時の取り扱いも見直されており、既契約が関係するため、会計事務所にとっては「払済み処理」提案時には改正通達を踏まえた適切な対応が欠かせません。

◆ 払済み処理関連の通達改正の内容は
 保険の払済み処理とは、保険料の払い込みをやめて、その辞典の解約返戻金で残りの保険期間分の保険料を一時払いする保険に変更することをいいます。
● 改正前の払済み時処理の取り扱い
 終身保険や養老保険について払済み処理を行う場合は、処理時の会計処理(注)は必要ありませんでした。また、同種の保険への払済みであれば、同様に、会計処理は不要でした。したがって、逓増定期保険などの払済み終身保険への変更では、会計処理(益金計上)が必要でした。
 (注)解約返戻金から長期前払保険料や保険積立金残高を控除した後の残高を雑収入計上する処理を指す。
● 改正後の払済み処理の取り扱い
・養老保険・終身保険・定期保険・第三分野保険:
 同種の保険への変更であれば、会計処理(雑収入計上)は不要です。
・逓増定期保険など:
 通常は払済み後も長期間解約返戻金が増え続ける”払済み終身保険”への変更を検討しますが、この変更は同種の保険への変更とは認められず、雑収入計上が必要となります。

◆ 既契約の”解約返戻率(CV率)ピーク時”の対応!
 つぎのように、通達改正後では既契約の逓増定期保険などを払済み処理すれば、益金計上の会計処理が必要となるため、CV率のピーク時での安易な払済み処理の提案は後日顧問先とのトラブルのタネになりかねません。
● 改正後の出口対策は?
 まず、既存の保険契約の内容や会社の状況(業績、資金繰り、事業承継対策の緊急性など)を把握することが最優先課題となります。状況などを把握できたら、適切な保険の出口対策の選択肢の複数提案がポイントに。

 実際には、払済み処理以外にもつぎのような選択肢があります。いずれの方法も社長などの死亡保障は減少(最終的に、ゼロ)してしまうため、これに代わる顧問先の状況を認識した合理的な提案が必要になります。
・解  約:保険を解約処理し、CVを得る。(経営者の)死亡保障はなくなる。
・減  額:死亡保障を減らす処理で、保険料も減額される。1/2減額なら、CVも1/2戻る。
      1/3ずつ、毎年減額を続ける余地もある。
・失  効:保険契約自体はその機能を失うが、失効時のCVは3年間確保される。
      ただし、失効後3年以内に解約が必要で、解約時は雑収入計上が必要に。
・減額と解約の組み合わせ:
      会社の資金繰りなどを勘案して、必要額のCVを確保するため、部分減額する。
      その後、翌期以降に解約する。
・減額と失効の組み合わせ:
      上記同様、必要額の資金確保で部分減額した上で、保険契約を失効させる。
      その後、3年以内のいずれかの決算期中に解約する。
● 迂闊な対応は”税賠”につながる覚悟が!?
 上記の対応は、会社の業績のみならず、払済みの対象としている保険ばかりでなく、残る保険の保障内容などを把握した上で行うべきため、SDG相続ドック・グループの提携代理店によるアドバイスが極めて有効ですので、協力を求められることがお勧めです。
 まずはSDG事務局にご連絡ください。

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