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【税理士向け】さらなる法令遵守の徹底と税理士に課された義務(一般向け)

2019.11.05

 このほど、国税当局より「税理士などに課された主な義務など」を簡潔にまとめた資料が、東京税理士会(綱紀監察)に提供されました。
 このところ、税理士に求められる使命にもとる行為により、懲戒処分を受ける税理士が増えているもようです。懲戒処分については、業界紙「税理士界」にも税理士氏名や懲戒処分の内容も明らかにされており、永年培った顧問先や関係先との信頼を損ね、引いては税理士事務所としての運営が困難となる事態に追い込まれかねません。
 本稿を良い機会として、ご自身の対応や事務所運営の一助としていただきますように。

◆ 税理士などに課されている主な義務
● 税理士の公共的使命
 税理士法第1条で、「税理士は、(中略)納税義務者の信頼に応え、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図る」という公共的使命を担っているとされています。
● 税理士などに課された主な義務など
 この税理士の使命及び職責に鑑み、税理士法でさまざまな義務の遵守が定められており、参考までに主な項目を列挙します。(下記の規定うち、第33条、38条、44条、48条の15を除き、税理士法人に準用されます。)
 当たり前といえばそれまでですが、懲戒処分状況からは意外に遵守されていない事実が見えてきます。
・第30条(税務代理の権限の明示)
 税務代理をする場合、対象となる税目や期間を記載した「税務代理権限証書」を申告書と共に提出しなければならない。
・第33条(署名押印の義務)
 税理士(税理士法人含む)は、租税に関する申告書等を作成・提出する場合、その申告書等に署名・押印しなければならない。
 →往々にして氏名をゴム印の使用や記名印字するケースがあるが、33条違反となる。
・第36条(脱税相談等の禁止)
 国税・地方税を問わず、脱税の指示はもちろん、脱税相談や類する行為をしてはならない。
 →顧問先からこうした相談があった際は適正な方法によることをアドバイスすることが肝要で、間違っても脱税に関連する相談に乗ったとみられないことに留意する。
・第37条(信用失墜行為の禁止)
 税理士の信用や品位を害する行為をしてはならない。
 →顧問先などとの関係を必要以上に忖度した「踏み込みすぎた発言や行為」には注意を。
・第37条の2(非税理士への名義貸しの禁止)
 税理士は、税理士でない者に自己の名義を利用させてはならない。
 →未だに、ニセ税理士などに名義を貸して、懲戒処分を受けるケースが後を絶たない。
・第38条(秘密を守る義務)
 正当な理由なくして・・・

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◆ 使用人等の不正行為による税理士(使用者)の懲戒処分
 税理士の使用者責任としては少し厳しいとも感じられる内容を含みますが、財務省告示により”懲戒処分等の考え方”が明らかにされているもので、十分留意が必要です。
● 使用人の不正行為を税理士が認識していたとき
 使用者である税理士が使用人の行為を認知していれば、税理士を懲戒処分の対象とする。
 →使用人の不正を見逃せば当然ともいえます。
● 使用人の不正行為を税理士が認識していなかったとき
 内部規律や内部管理体制に不備があって認識できなかったことなどについて、使用者の税理士に相当の責任ありと認められた場合、税理士本人の過失で不正行為を行ったとして懲戒処分する。
 →少し厳しく感じられるかも知れないものの、一般企業同様、内部統制の体制や日頃から秘密保持の重要性などの啓蒙を所内で行っているかなどを厳しくみられる可能性が。
● 上記非該当でも、使用人の不正につき、税理士の監督が不適切だったと認められる場合
 第41条の2(使用人等への監督義務)違反として、懲戒処分される。
 →この規定が微妙なのは、使用者としての税理士の監督が不適切であったとの認定次第となり、認定側の判断に委ねられている点である。

◆ 税理士等への懲戒処分の考え方
 財務省告示第104号で明らかにされている税理士や税理士法人に対する懲戒処分の考え方の一覧です。詳細は、添付別紙にてご確認下さい。
● 脱税相談など(第36条違反)
 税理士法第45条(脱税相談等をした場合の懲戒)に定めで、つぎのように処分されます。
・第1項(故意による行為)
 判断要素は「不正所得金額など」で、処分は6ヵ月以上2年以内の停止か禁止。
・第2項(過失による行為)
 判断要素は「申告・・・

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 これら処分が甘いか、厳しいかのご意見は多々ありましょうが、SNSなどによる情報拡散が問題視されるこの頃です。一旦懲戒処分の対象ともなれば、顧問先ばかりでなく、社会的にも非難されかねませんので、顧問先ばかりに心を砕くことなく事務所の体制整備や内部規律の重率を図っていきましょう。

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