税務調査での事前通知と提出依頼資料リストについて(SDG一般向け) |
2020.01.10

ここ5年以上調査のなかった優良法人ですが、過去に料調での調査経験者による調査への対応経験がなく初めてであることと、現社長にとっては事業承継後初めての調査で、若干不安な様子。実際には、税務・会計処理などは適正に処理しており、気にかけるべき点はない会社ですが。
そんな顧問先への事前通知でしたが、具体的な資料について確認したところ、後述の「提出依頼資料一覧表」が年初に送られてきましたので、情報共有のためご紹介いたします。
◆ 事前通知の内容
電話で通知があった調査項目などは次の通りです。
● 調査日程:1月下旬の3日間
● 対象税目:法人税・地方法人税、消費税
対象期間は、2019年3月期までの直前3期
● 対象税目:源泉所得税
対象期間は、2016年4月納期分から2020年1月納期分までの3期間と進行期10ヵ月分
● 調査担当官:2名(特官と上席)
・特官(特別調査官)は、過去、料調(資料調査課)にて調査経験あり。
◆ 提出依頼資料一覧の提示
過去の事前通知といえば、電話で口頭ベースでの調査日程、調査対象税目とその期間などの通知が通例との認識でしたが、今回初めて”提出依頼資料一覧表”が送られてきて、具体的な必要資料がリスト化されていることが判明しました。
書式からみて、受領日欄があることからそのまま調査官がチェックリストとして使う仕様になっています。
● 会社の概要や状況がわかる資料
税務調査では通常要求される内容ですが、定期的に調査が実施される企業でも最新状況を把握するため常に要求される資料から構成されています。
・会社案内 :パンフレット、年次報告書3期分(中小企業などではないケースが多い)など
・役員一覧表:役職、氏名、住所、入社年月、持株数、経歴を記載したもの。
・主要取引先別取引状況:
SDGに加入されますと、続きの詳細をすべてご覧いただけます。
●経理関係の業務フローから 社内規定など
この項目の資料は25種類の広範囲にわたっており、うち14種類は提出ではなく、閲覧とされているため、中小企業で提出を要求されるメインの資料についてご紹介しましょう。
・経理関係システムフロー:発生から帳簿入力までの手続きと決算処理の流れ
・業務フロー:LANシステムなどの業務の流れ
・勘定科目コード表、固定資産コード表など:自計化企業での提出資料か?
・締切日/決済方法等一覧表:取引先ごとの売買請求締め日、計上締め日、決済方法等がわかる資料
・試算表、B/S,P/L組替表:
SDGに加入されますと、続きの詳細をすべてご覧いただけます。
・閲覧項目の主要なもの:
必ず閲覧されると思われる資料について、その種類に応じてピックアップしています。
★取締役会議事録、社内規定集、棚卸資産残高明細、稟議書綴りなど
★総勘定元帳、売上の納品書/請求書控など、原価・・・
SDGに加入されますと、続きの詳細をすべてご覧いただけます。
●海外関係会社など関連資料
海外関係会社の年次報告書・・・
SDGに加入されますと、続きの詳細をすべてご覧いただけます。
◆ ”提出依頼資料一覧表”についてのコメント
提出要求資料は2部ずつコピーが必要で、面倒かもしれません。
調査対象会社は製造業で、固定資産台帳も分厚く、コピー準備も面倒。そのため、顧問先の手間をカットして喜ばれるには台帳はこちらで出力して渡した方が喜ばれるかも。
また、調査官も”提出依頼資料一覧表”に記載されていからといってすべてに目を通すわけではなく、実際には対象企業の経理処理状況や会社の運営状況次第で調査の深さも変わってきます。
逆に、”提出依頼資料一覧表”の記載内容は、税務調査用ばかりではなく、会社や会計事務所として準備できていることが大切と判断して、顧問先を指導する材料として活用する方が有益です。
★ SDG相続ドック・グループに加入されますと、会員専用記事をフルにご覧いただけます。加盟のお申し込みは、欄外の赤ボタンをクリックして手続きをお進め下さい。
なお、SDGグループは税理士・会計士のための団体で、他業界の協賛など一切いただかない独立団体です。