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妻のために支払った老人ホーム入居一時金は贈与税の対象!?(一般向け)

2020.02.04

 老々介護が一般的になりつつある高齢化社会。配偶者(妻)が老人ホームへの入居の際に支払う一時金が贈与税の対象財産として(税務調査で)否認される事例がありました。夫婦であり、扶養義務がある以上、高齢の妻のための有料老人ホーム入居一時金に贈与税がかかると思っている方はまずいないのでは。
 意外にも、税務調査で贈与税対象とされ、不服申立てをした方々の事例(国税不服審判所の裁決事例)がありますので、入居一時金が”贈与税非課税とされた事例”と”課税された事例”をご紹介しましょう。

◆ 妻のための老人ホーム入居一時金に贈与税がかかる!?
 自宅での介護が困難になり、必要に迫られて有料老人ホームに入居する場合でも、優雅な住宅型の老人ホームへの入居でも、契約形態や同居できないといった理由だけで入居一時金に贈与税をかけられてはたまったものではありません。当然ながら、入居後も毎月継続して維持管理費・食費などの負担(月15~30万円)がかかります。入居一時金について贈与税まで背負わされては…。
 下記2つの事例は、妻の入居一時金を支払ったのち、夫が死亡し、その相続財産の税務調査で相続発生前3年以内の妻への贈与を指摘されたものです。
● 贈与税が課税されなかった事例
★ 非課税事例の概要
 国税不服審判所2010(H22)年11月19日裁決のケースは、夫が妻の介護を自宅で行っていたところ、次の状況により、「介護付き有料老人ホーム」への入居が必要になった。
・妻が高齢で、要介護状態にあったこと
・自宅での妻の介護が困難となったこと

 このケースでは妻には資力がなく、夫が入居一時金945万円を支払った事例。
★ 非課税となった理由
 結論としては、「介護を必要とする妻の生活費に充てるために通常必要と認められるものである」と解するのが相当とし、入居一時金は相続税の非課税財産(相法21条の3)にあたるため、贈与が相続開始前3年内に行われていても、相続開始前3年以内の贈与(相法19条)の適用はないとした。
 判断のポイントは、次の通り。
・夫(被相続人)が支払った妻の入居一時金:贈与と認定
・入居理由の認定:自宅介護が困難(高齢と要介護状態)で介護施設への入居の必要に迫られたこと、入居金を一時に支払う必要があったこと、妻には資力がなかったこと、老人ホームが自宅介護の生活費負担に代わる相当であったことと妻の介護生活を行う必要最小限度のものであったこと


● 贈与税が課された事例
★ 課税された事例の概要
 贈与税が課税されたのは国税不服審判所2011(H23)年6月10日裁決のケースで、夫が「妻が主契約者として豪華な住宅型有料老人ホーム」への入居にあたり、妻が支払うべき入居一時金1億3,370万円のうち9割強の1億2,359万円を支払った事案である。
 請求人である妻は、夫(被相続人)の相続開始の約2ヵ月半前に入居した老人ホームの・・・

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◆ 贈与課税の根拠法令などの解釈
 今回の贈与税非課税と課税事例の元となる法令は、次のように解釈されています。

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◆ 判断基準の明確化と税制上の特例措置の必要性
 自宅介護が困難になれば、入居一時金を伴う介護付き有料老人ホームの利用・・・

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