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1年間納税猶予に!(延滞税なし)~新型コロナ対応~

2020.04.09

 与党(自民党、公明党)税調(税制調査会)が4月6日付で新型コロナウイルス感染症拡大による中小企業などへの支援策を発表しましたので、「中小企業が使える!税制上の支援内容」の主な点をご紹介いたします。

◆ 無担保、延滞税ゼロで「1年間の納税猶予」         ”支援効果:特A"
 公庫や銀行借入れなどでも実質無利子融資があり、一見同じように見えますが、融資は申請から実際の入金までにかなりの期間がかかります。その一方、納税猶予制度は、資金繰りに苦しむ中小企業にとって今すぐ納付しなければならない税負担(特に、消費税や給料などの源泉所得税)を1年間先送りでき、その浮いた資金を給料や仕入れ代金などの支払いに充てられるため、大きなメリットといえましょう。
● 納税猶予の対象国税
  2020年2月1日以降(2021年1月31日までに)納期限がくるー
  ~★消費税、★源泉所得税、★法人税、★所得税、★相続税・贈与税、など~
  ⇒2019年12月決算の会社の法人税、消費税なども納税猶予の対象です。
● 納税猶予の条件
  つぎの両方の対象なら、納税猶予OK!
  ①2020年2月1日以後の一定期間(注)の収入(売上?):前年同期比で概ね20%以上減少
   (注)一定期間は、”1ヵ月以上の任意の期間”とだけ記載。
  ②上記①により、一度に国税の納付が困難なとき
● 納税猶予税額
  与党税調の公表資料には猶予税額の計算方法などが記載されておらず、これが落とし穴!
  週刊税務通信(4月6日号、No. 3600)によれば、納税猶予税額は、減少した収入(売上?)
 額がそのまま猶予されるイメージだそうです。
  【猶予税額の計算イメージ】
  (例)3月決算法人:
     ・2020年2月と3月の収入(売上?)が前年同月比で1,000万円減少のケース
   ・猶予税額の上限:1,000万円(収入減がそのまま猶予税額で、メリット大!)  
● 納税猶予の条件
  ・担保の提供: な し(不要)
  ・延 滞 税: な し(納税猶予期間の利息(延滞税)が不要)
● 納税猶予の手続き
  納付期限までに税務署宛に申請書を提出する必要があります。
  原則、収入状況などを証明する書類も必要に。
  ⇒★申請書などの書式は今のところ未定です。
   ★税務署は、”一度に納付困難”かの審査をしますが、今後半年間の事業資金を考慮して
    納税者の状況に配慮して、適切に対応するとしています。
    キャッシュリッチ企業では認められないケースも出てきそうです。

◆ 欠損金の繰戻しによる還付                ”支援効果: C"
 資本金1億円以下の中小企業には関係のない支援策です。
 とはいえ、収益力のある資本金1億円超10億円以下の中堅・大企業にも、対象期間(2020年2月1日~2022年1月31日終了事業年度)を限ってその期間に生じた欠損金について、前年度に納めた法人税を繰戻して還付する制度を使える仕組みを提供します。
 中小企業では、今でも欠損金が生じたら、その前年度に利益があり、法人税を納付していれば、その欠損金に見合った法人税を返してもらえます(欠損金の繰戻しによる還付請求の制度)。
 ⇒これにも落とし穴が!
  一見ありがたい、前期に納めた法人税を返してもらえる還付制度ですが、”欠損金の繰戻し還付請求”をする
  と、ほぼ必ず税務調査が入ります。税務調査を前提に、繰戻し還付請求を行う覚悟が大切です。

◆ 固定資産税と都市計画税を ゼロ or 1/2に減免!       ”支援効果: C”
 売上が減少した中小企業を対象に、2021年度一年分に限定して、償却資産と事業用家屋の固定資産税と都市計画税をゼロ or 1/2に軽減します。
 ⇒売上減少の度合い~(例)売上20%減など~は、現時点では一切公表されておらず、中小企業にとっては
  将来の楽しみすら描けない状況に。

 上記以外にも8つ公表されましたが、多くの中小企業が対象となるメリットのある内容ではありませんでした。



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