国の補助事業などで必要とされる認定支援機関(会計事務所)の役割(一般向け) |
2020.05.22

◆ 会計事務所の認定支援機関としての活動の実態
● ”経営革新等支援機関”の認定はハク付け!?
会計事務所を含む認定支援機関の20%は、★支援業務を実施していない、★ほとんど実施していないと回答しています。さらに、年1回程度の支援を含めると1/3にも上っていることが判明しました。
また、この回答を会計事務所の認定支援機関に限ってみれば、実質的に活動していないに近い事務所が過半数を超えるのではないかと推定されます。これは、金融機関(支店単位を含む)がこぞって認定申請したことなどもあり、対抗上、認定申請した事務所が多かったのではないでしょうか。
● 選別の更新制度の導入
そこで、2018年8月からは認定支援機関の更新制度が導入され、経済産業局のチェックが入るようになりました。また、今年6月26日からは「認定の更新申請(認定申請含む)」は完全電子化に移行されます。
こうした状況から、先行き”認定支援機関としての活動が停止状態にある会計事務所”は更新できないリスクも生じそうです。
◆ どんな補助事業に認定支援機関として活躍できる?
とはいえ、余りに多岐にわたるために、認定支援機関の活躍余地のある国の補助事業などにはどんなものがあり、どのような役割を果たす必要があるのか(=活躍の余地)がわかりづらいのも事実です。
ここでは、会計事務所が活躍できそうな国の補助事業などで必要とされる認定支援機関の役割の代表的なものをご紹介しましょう。
● 事業承継、M&A関連事業など
★ 法人版事業承継税制(根拠法:経営承継円滑化法)
・事業概要
自社株を後継者が相続・贈与で取得した場合、経産大臣の認定を受けたときに、相続税・贈与税の納税を猶予および免除。
・認定支援機関の主な業務
⇒都道府県に提出する特例承継計画上の取組みの評価・実現可能性などの指導・助言
⇒認定事業者の雇用が8割を下回った場合の報告書での所見 など
★ 事業承継・集約・活性化支援資金融資事業
・事業概要
事業の譲渡、株式の譲渡、合併等で、経済的・社会的に有用な事業や企業を承継・集約化する中小企業者を対象に日本政策金融公庫が融資。
中小企業が認定支援機関の支援を受け、事業承継計画を策定して実施する場合に日本政策金融公庫が融資し、貸付利率を軽減する。
・認定支援機関の主な業務
⇒事業者が「事業承継計画」を策定する際、支援機関が実施した支援内容
⇒計画の内容に対する支援機関の評価と所見
● 法人の経営改善などの事業など
★ 経営改善計画策定支援事業
・事業概要
借入金返済負担など財務上の問題を抱え、金融支援を含む経営改善を必要とする中小企業に、認定支援機関の助力を得て行う経営改善計画の策定支援(405事業)。
また、本格的な経営改善が必要になる前の早期からの資金繰り管理などの簡易な経営改善計画策定も支援(プレ405事業)。
・認定支援機関の主な業務
⇒経営改善支援センター事業利用申請書・申請書の概要、自己記入チェックリスト、モニタリング報告書
など、経営改善支援センターに提出する申請書や添付資料など
★ 中小企業経営力強化資金融資事業
・事業概要
創業や経営多角化・事業転換などによる新たな事業活動に挑戦する中小企業で、認定支援機関の支援を受ける事業者に、日本政策金融っ公庫が融資。
・認定支援機関の主な業務
⇒事業計画書のうち、実施した経営革新等支援業務内容、新商品などの開発についての所見、事業計画の評価
★ 経営力強化保証制度
・事業概要
中小企業が認定支援機関の助力を得て経営改善に取組む場合に、信用保証料を軽減。
・認定支援機関の主な業務
⇒金融機関に提出する所定の申込資料に添付する書類の一部
〇「経営力強化保証」申込人資格要件等届出書
〇事業計画書(申込人が策定)についての所見
〇支援内容を記載した書面 など
こうした補助事業などの内容を吟味して、会計事務所としての得意分野に特化して訴求するなどにより、顧問先はもちろん、金融機関などの提携先などにアピールしてはいかがでしょうか。
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